『僕は長い昼と長い夜を過ごす』の絆に涙!

東京バンドワゴンシリーズで有名な小路幸也が書いた『僕は長い昼と長い夜を過ごす』は主人公を取り巻く様々な絆に心が温かくなる小説でした。
人よりも長く起き、長く眠ってしまう睡眠障害を抱える主人公。
実はその原因には主人公の子供の頃の家庭環境が大きく関係しているのですが、そんな主人公がとある事件に巻き込まれ、自分と周りの人たちが危険な状況に陥ってしまいます。
自分の身と周りの人々を守るため、様々な道を模索する主人公。そんな主人公を取り巻く人々が見せる友情や愛情が丁寧に書かれていて、とても心が温かくなりました。
仕事仲間から寄せられるゆるぎない友情がどこから来たものかが明かされる場面は名場面のひとつでした。
主人公の子供の頃に起きた事件を絡めながらの物語の進み方や内容ももちろんいいのですが、一番の見どころは主人公と、彼をパートナー、そしてチームとして支える謎の種苗屋の関係です。
時には主人公を導き、手助けしていく謎の人物ですが、どうしてそれほど主人公のそばで行く末を照らしてくれるのかが最後に明らかになります。
様々な人が主人公に寄せる友情や愛情を書いた後で、最後にその謎の種苗屋の掛け値なしの献身っぷりの理由も明かされるのですが、その最後の種明かしにも涙でした。
心温まる小説を見たい方にはお勧めの小説だと思います。