『最遊記』シリーズの魅力

漫画『最遊記』シリーズは、主人公4人と一匹が牛魔王組成実験を阻止すべく西を目指す物語。
型破りなイケメンヒーローたちが自らの過去と向き合いながら、恐ろしい妖怪たちと戦い、その先へと進んできます。
主人公たちは、それぞれはみ出し者であり、行き辛さのようなものを抱えています。
そのうえで、敵である妖怪のみならず、村人たちからも刃物を向けられたりします。
この作品は生きることの難しさやしんどさを色々な形で描いており、主人公たちのすぐ隣にはいつも「死」が待ち構えています。
それでも武器をとり、ボロボロになりながらも答えを見出し前へと進んでいく彼らの姿には感動させられます。
このようなシリアスな展開だけでなく、随所に散りばめられたユーモアも素晴らしいです。
基本的には重い作風でありながらも、彼らは軽口を叩くことを忘れません。
ギャグシーンはかなり笑えます。物語の中に「無一物」という言葉が出てきます。
何物にも囚われず縛られず、ただ在るがままに己を生きよという意味の言葉です。
主人公三蔵が亡き師から受け継いだ唯一の教えです。『最遊記』シリーズは、自由で在り続けることの難しさ、それでも生きて前に進むことの強さを教えてくれます。
これからも三蔵たち四人は壁にぶち当たり、困難や試練を体験するでしょう。
しかしそれでも、たとえ旅が終わっても進み続けてくれるに違いありません。
このシリーズは長期間連載されている作品であり、しかも出版スピードが遅い為、単行本を数冊読むと絵柄の変化が急激に感じる、というのも面白い点ではないでしょうか。
また作中でほとんど時間が経過していないため、バトル漫画でありがちな強さのインフレといったものがほぼ起きていないのも評価すべき点と言えるでしょう。