映画館で予告が流れて、原作が小説という事、そしてイヤミスということに興味を引かれ読んでみました。
キリスト教のお嬢様学校が舞台という、自分では絶対関わることないであろう世界観に興味を惹かれたというのも理由の一つです。
お嬢様学校というだけあってとにかくゴージャスで美しく、それに見劣りしない上品な生徒達。もう浮き世離れしているといっても良いくらいです。だからこそ、そこで起こった事件、その事件の中心人物達の黒くドロリとした内面や秘密等がより際立っていました。
いかに自分が死んだ少女いつみと仲良く信頼されていたかを自己弁護する一方で、どれだけ犯人が卑劣で卑しいかを当人の前で告発しあう。もう何がなんだか、何を信じたら良いのかわからないまま物語は進んでいき、そして終盤でのドンデン返しの連続で唖然としてしまいました。
読みやすい文体もあって、もうページをめくるのを止められません。そして結末は人によってはグロテスクで気持ち悪いと思う人が出てくると思うので要注意です。
すずらんという花にこれほど嫌悪感を抱くことになるとは思いませんでした。
とにかく登場人物が皆何かしら黒いものを腹に抱えているということがある意味リアルだと思いました。
人間誰しも人に言えないものは持っていると思うので。