この小説は戦後の日本の時代の国岡鐡造という男についての話です。
この国岡鐡造という人は石油会社の社長でとにかく周りの人に尊敬されていて、昔の日本人の鏡のような存在です。話の中にGHQが何度か出てくるのですが、このGHQは基本日本人を見下しています、しかし、国岡鐡造をサムライのような人物だと称賛します、それほどの人物ということです。
国岡鐡造は部下は絶対に裏切らないというスタンスで、私はこの小説を読んでいる時、まるで少年漫画を読んでいるような熱い気持ちになりました。
これだけを聞いていると国岡鐡造は元気溢れる好青年のように思われるかもしれませんが、実は60代という当時からすると相当なおじいさんなのです(笑)。しかもそれに加えて、若い時は病弱のヒョロヒョロという意外性も持っています(笑)。そういった所もこの本の魅力です。
おじいさんなのでご想像の通りとてつもない頑固者、部下のことは裏切らないのですが、部下の提案を受け入れるという訳ではありません。自分の考えは絶対に通します。それなのに部下は毎回納得し、どんどん尊敬する様になります。とにかくおじいちゃんがとてもかっこいい小説です。
ぜひ読んでみてください!